夕木春央の「方舟」を以前読んで面白かったので「十戒」を読んだ。十戒も衝撃ですごい面白かった。
方舟もそうだったが十戒も2回読みたくなる作品だった。結局方舟は2回目は読んでないけど、十戒は2回読んだので、1回目に読んだ時の感想と2回目に読んだ時の感想を残しておく。
ネタバレあり。
あらすじ
叔父が生前所有していた小さな無人島「青島」にリゾートを開業することとなり、里英はその視察に父や関係者たちと一緒に訪れることになった。 初日の夜が明けると、参加者9人のうち、1人が殺されていた。犯人は私たちの中にいる。しかし警察に通報することはできない。なぜなら、「この島にいる3日の間、決して殺人犯を見つけてはならない」、それがわたしたちに課された戒律だったのだーー
1回目の感想
まず状況が異質であった。
密室とも言える隔離された島で殺人事件が起きる。普通のミステリーでは犯人探しに奔走するのがセオリーだと思うけど、ここでは「犯人探しをしてはならない」「助けを求めてはいけない」「30分以上他の人と一緒にいてはいけない」などと10個の戒律が定められている。まさに十戒である。
読み進めて行くうちに綾川が一番怪しいと思った。他の容疑者にできそうな人はいないし、著者も恐らくそうリードしていっていたと思う。
だけど、まさか理英が犯行の瞬間を見て犯人を知った上で行動してるとは思わなかった。
そう、わたしは犯人に声をかけられた
ここで鳥肌総立ち。その後綾川が小さい子をあやすように説明する姿は恐怖でしかない。
解説のところで知ったけど綾川は「方舟」の犯人の可能性あるのか…そこでもまた鳥肌。
2回目の感想
「探偵的頼れるお姉さんと女の子」だと思ってた1回目と違って「真犯人とそれを唯一知ってる女の子」を前提に読み返すと全く違う物語だった!
理英視点で物語が進むから彼女の心情や発言の端々に犯人は綾川である伏線がたくさん散りばめられてることに気づく。
例えば、綾川がクッションカバーと貝殻を使って犯人の意思を確認する方法を説明した時の
犯人には、この方法に不服はないはずである
とか。だって自分で提案してんだもん。
最後藤原に罪を押し付ける論理は憶測も多く含んでて無理矢理感はあるけど、全員極限状態にあったと思うし彼らが納得するには十分だったのであろう。なんでもいいから自分が納得できるストーリーが欲しかったんだと思う。
また綾川が出てくる小説が出版されそう。いや、さすがに3度目はないか。
2度楽しめる素晴らしい本でした。そして方舟をもう一度読みたくなった。
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